今月を視る (「むすぶ」2022年6月号より)
2022-06-21


戦争を止めさせる力―「徹底抗戦」ではなく停戦要求の声
軍拡に抗し、今こそ軍縮・基地撤去を主張するとき

一刻も早い停戦を!
ロシア軍のウクライナに対する「特別軍事作戦」(明確に軍事侵略)開始から間もなく4か月である。停戦の見通しは立たず、戦争の泥沼化も予想されている。これまでのロシア軍の戦死者は15000人超であることは以前から報道されていたが、6月に入って、これまでにウクライナ兵の死亡が約10000人にのぼる事実をウクライナ大統領顧問が公表した。さらに、ロシア軍による無差別爆撃など“戦争犯罪”が濃厚な数々の攻撃によって非戦闘員である市民の命が大量に奪われ、国外への避難を余儀なくされた難民が640万人を超えるなど人道危機の深刻化は日々進行している。このような状況を脱するために、一刻も早い停戦とロシア軍の撤退が求められる。

「徹底抗戦」や軍備増強は命を救わない!
ロシア軍の侵略を止めさせることができる力はどこにあるのか。ウクライナの「徹底抗戦」や、そのための米国やNATO、日本を含む西側の軍事援助などではない。ロシア軍を軍事的に押し戻したからと言って、ロシアがそのまま引き下がることなどありえないことは、誰にでもわかる。そこにあるのは、戦火の拡大だけであり、さらに大量の人命が奪われることは間違いない。こうした惨状を招いた第一義的で最大の責任は、国連憲章や国際法違反が明確な軍事侵略を引き起こしたロシア政府にあるのは間違いない。だが、ウクライナのゼレンスキー内閣は、開戦当日から、国民総動員令を発して、18歳から60歳までの男性の出国を禁止し、「徹底抗戦」を国民に課し、これに従わないものを「非国民」として事実上差別、抑圧する状況を生み出してきた。「戦死の英雄化」や「銃後の協力」を美化し、市民の戦争参加を事実上強制してきた。そして、「これは世界を独裁陣営と自由陣営に二分するあなたの国自身の戦いだ」「もっと武器を。弾、弾、弾が足りない」とあおる演説を連日行っている。ウクライナ政府の戦争政策が被害の拡大を招いてきた一因であることは否定できない事実である。その責任も決して小さくない。
「インターネット上ではウクライナ軍の戦争犯罪も確認されている。まして米国の異常な兵器の供給ぶりを見ると、ウクライナが米露代理戦争に命と国土を提供している実態は誰の目にも明らかではないか。」(ゼレンスキー氏は英雄か=伊藤智永 毎日新聞 2022/6/4)と冷静な見方も出てきた。今、軍事的支援がウクライナ市民の命と人権を全く守るものではないことをはっきりと主張しなければならない。
ロシアの軍事侵略を止めさせる最大の力は、ロシア国内の反戦の闘い、そして国際的な反戦運動である。「ロシア軍は今すぐ撤退」「直ちに停戦を」の声と行動を不断に高め続けなければならない。そして自国政府に和平に積極的に関与し、外交努力を行うよう要求しよう。

核兵器禁止条約の第1回締約国会議―「ノーモア沖縄戦」―参議院選挙で反撃の足がかりを!
米国とともに日本政府もまたこの戦争を停戦と和平に導くための外交努力を全く行おうとしない。米国の狙いはロシアの弱体化と中国包囲網強化以外にない。日本政府は、米国のこの狙いに同調しつつ、ウクライナ事態を利用して「改憲」「敵基地攻撃」「核共有」「軍事費倍増=10兆円軍事費」など大軍拡実現の野望をむき出しにし、本格的な動きを加速させている。

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