今月を視る (「むすぶ」2022年10月号より)
2022-10-27


朝鮮ミサイル発射を最大限に利用
戦争体制づくり、大軍拡ねらう政府にNOの声広げよう!

愚劣なミサイル発射繰り返す朝鮮
10月4日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)が弾道ミサイルを発射し、青森県の上空(1000キロ。政府が100q前後と定義した領空ではなく宇宙空間)を通過し、岩手県釜石市の東約3200キロの太平洋に落下した(日本の排他的経済水域外)。朝鮮ミサイルの日本上空通過は2017年9月以来で、約5年ぶり7回目。飛行距離は約4700キロで過去最長だったとされる。軍事力やその威嚇で「平和を維持する」など戦争勢力の論理に過ぎず、戦争勢力を利するだけの愚策である。

戦争協力体制づくりすすめる政府
日本政府は、5年前と同様に、何の意味もない(そもそも仮に日本の「上空・宇宙空間」から落下したとしても避難のしようがない)「Jアラート」による「避難」の呼びかけを行い、「有事近し」「北朝鮮恐ろし」キャンペーンを大々的に開始した。発射直後からテレビをはじめ各メディアは、この「北朝鮮ミサイル発射」ネタで占拠状態となった。NHKは新規に始まったばかりの朝ドラ「舞い上がれ」、「あさイチ」を中止し、民放の朝のバラエティー・ニュース番組も同じく「北朝鮮ミサイル発射」ネタを繰り返し、延々と続けた。
地震や豪雨による大災害ならいざ知らず、実際には何の被害がないにも関わらず、これほどの過剰報道を異常と感じない(感じていても何も言わない)メディアの劣化は、目を覆うばかりだ。劣化だけでは済まされない深刻な問題も浮き出ている。民放を含めて多くの民間事業者が戦争協力体制に組み入れられていることだ。有事法(武力攻撃事態法)に基づき、「国民保護」の口実で戦争協力が「責務」とされる「指定公共機関」160法人が、すでに政府によって指定されている(2004年)。
放送関係では災害対策基本法による指定はNHKだけだったものが、東京、大阪、愛知の民放テレビ、ラジオ局19社が指定されている。たった数秒間の上空通過にもかかわらず、「指定公共機関」となった各局が数時間にわたってこのネタで放送を続けた理由は、政府に対する忖度にとどまらず、法的「責務」の圧力に屈した結果ではないか(Jアラート発令時の放送計画が各局準備されているという)。戦争協力体制が着々と築かれているのだ。この厳しい現実を、5年ぶりに見せつけられたが、「そんなものか」とあきらめるのではなく、「異常だ。おかしい」という声をそんな「指定公共機関」にあげ続けることが重要だ。

日米韓合同軍事演習で緊張演出
それにしても、日本政府が窮地(安倍元首相の国葬や統一教会問題)に立つと、朝鮮がミサイル発射という愚行を繰り出す。まるで水面下で連携しているのでは?と疑ってしまいそうだ。さすがにそこまではないにせよ、日米韓による連携で朝鮮政府の動きを誘導していることは確かだ。そこにメスを入れた報道を行うことがメディアの責務なのではないか。
そもそも、今回の朝鮮ミサイル発射は十分予測できた。むしろ、ミサイル発射するように仕向けたといった方が正確なのではないか。失点を重ね、支持率急落の韓国尹錫ス(ユン・ソンニョル)大統領と「北朝鮮自滅路線」のバイデン大統領による米韓合同演習が挑発的に行われたことの直接的な結果だ。原子力空母「ロナルド・レーガン」が率いる米の空母グループを中心に、実戦を想定した本格的な演習を見せつけ、翌日には、朝鮮ミサイル発射への対抗措置として、地対地ミサイル計4発を日本海に向けて発射する。威嚇合戦の当事者としては完璧な演出と言える。

軍拡ではなく軍縮を対置
日本政府が敵地攻撃能力(「反撃能力」)保持の必要性を合唱し、軍事費(「防衛費」)大幅増に一気に
持ち込もうとする魂胆は丸見えである。

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