今月を視る(「むすぶ」2012年4月号より)
2012-04-23


大飯原発再稼動NO!「ミサイル防衛」予行演習NO!

国民の安全と命を守る気がない政府・内閣には直ちに去ってもらうしかない。国民の命を守るのは、誇張される朝鮮の「衛星」による危険からではなく、確実に人体を蝕む放射能からだ。福島第一原発の悲惨な事故の全容や原因の解明が未だなされていないにもかかわらず、野田首相と関係3閣僚(枝野経産相、藤村官房長官、細野原発相)は、4月6日、原発再稼動のための「安全性に関する判断基準」を決定した。この「基準」の作成を指示してからたったの3日での決定である。「再稼動ありき」の「新基準」と言われて当然の代物である。

この「新基準」の柱となる1つ目は、原子力安全・保安院がまとめた30項目の中から短期的に実現できるものを抜き出しただけのものだ。2つ目は、ストレステストの1次評価で核燃料が損傷しないことが確認されたという、今やだれも信用していない保安院、安全委の「見解」の焼き直しにすぎないものである。3つ目は、免震事務棟の高台建設、津波対策の防潮堤のかさ上げ、フィルター付ベントの新設置など中長期的な対策は実施計画を示せば、それだけで「良し」とする、あきれるほどでたらめなものである。「大飯原発の再稼動を急ぐあまり、最初からクリアできる基準をまとめたようにさえ見える」(毎日新聞社説)は遠慮がちな評価だが、新基準の本質はズバリ「再稼動ありき」にしかない。

関西電力は、「安定供給のためにあと何基の原発再稼動が必要と考えているのか」という質問に、何基という具体数を示さず、「基準をクリアした原発すべて」と答えている。「最初からクリアできる基準をまとめた」この再稼動基準では不合格となる原発を探す方が難しい。こんなでたらめな基準で、大飯原発再稼動を許すわけにはいかない。4月14日にも枝野経産相が福井県へ再稼動要請に入ると言われている。だが、再稼動容認は一部の利権関係者に限られている。福井県や周辺自治体が安易な再稼動容認に傾かないよう、全力で取組みを強めよう。圧倒的な世論を結集すれば再稼働は必ず阻止できる。

原発再稼働を急ぐ一方で、見過ごすことができない野田内閣の犯罪的役割は、繰り返される朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の「衛星」打ち上げと称するミサイル実験を最大限に利用した南西諸島への自衛隊配備と「ミサイル防衛」の実動演習(迎撃ミサイルを装備したイージス艦を海上に、地上発射型ミサイルパトリオット(PAC3)を、沖縄本島、石垣島、宮古島と首都圏に配備し、破壊措置命令を出した)の企てである。そもそも、「宇宙の平和開発」などありえない。それは、朝鮮であれ、いつも大騒ぎしている米国のNASAステーションであれ、日本の種子島で発射される衛星「はやぶさ」であれ、裏に隠された軍事目的、軍需産業の利益が本質であることは何ら変わらない。規模の違いはあれ、自分たちの衛星と同じ朝鮮の衛星を攻撃するわけにもいかず、可能性の極めて低い「落下物」をことさら強調し、ここぞとばかり、南西諸島への自衛隊配備、「ミサイル防衛システム」の大展開を強行しているのである。朝鮮の「衛星」軌道からはるか彼方の首都圏にまで配備展開するのは、悪乗り以外の何物でもない。「また、政府は県下市町村を巻き込んだ「戦闘態勢」ともいえる全国瞬時警報システム(J-アラート)を災害以外で初めて運用し試験放送の場に自衛隊員が立ち会うなど、異常な態勢をとっている。これらの実態を見れば、政府は朝鮮の「衛星」打ち上げを口実として、国民の不安をあおり、軍事訓練を実施し、自衛隊を市民に認知させようとしている。これは「防衛大綱」による先島地域への陸上自衛隊配備の「地ならし」「予行演習」に他ならないことは明らかである」(2012年4月8日「宮古島を軍事の島にしないで」市民集会 決議より)。


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[会報「むすぶ」より]

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